前巷説百物語(京極夏彦)

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    JUGEMテーマ:ミステリ

    ※ネタバレあります

     シリーズ四冊目だが、時間軸では一番前に来る。六つの中編を収録。内容は又市修行編といったところか。小右衛門も祇右衛門も、そして少しだけだがおぎんも出てくる。この頃からの付き合いや因縁だったんだね。小右衛門の登場がいい。現役バリバリ感いっぱい。この巻で登場した人物の多くが最後に亡くなってしまう。特に浪人の山崎。安らぐ場所が安らぐ場所じゃなかった皮肉。しかも子供に殺されるとは…。後の話に繋がる人物の登場は嬉しいけど、この巻だけで終わってしまう人物たちの存在はどれも切ない。

     

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    後巷説百物語(京極夏彦)

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       シリーズ三冊目。年老いた百介が体験談を語ることで、元侍だった若者たちが持ち込む難題に解決のヒントを与える。しかし語られる体験談は真相のすべてではない…。著者はこれで直木賞を獲ったのか。面白いのは前冊だったが、過去を振り返る感じが評価されたか。「もう、この国に山はないのではないか」(山男)。良い言葉だけど、審査員が高齢だったのかな。小夜という娘の正体も含め、寂しさが漂う一冊。最後、百介も亡くなるしね。あと、京極堂シリーズの「鉄鼠の檻」に名前のあった和田智念が出てくるのは懐かしかった。

       

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      続巷説百物語(京極夏彦)

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        ※ネタバレあります。

         シリーズ二冊目。短編から中編(いや長編か)六作を収録。百介の狂言回しぶりが一冊目より明確になってきた。話のスケールでは五作目の「死神」だろうな。ページ数も多いし、それまでの作品で蒔かれた伏線を回収している点でも、この本の仕上げという気がする(最後の「老人火」はエピローグ的なもの)。

         ただ、個人的には「狐者異」。ここで明かされる「祇右衛門という仕組み」がねぇ。獄門で死んだはずなのに仕組みとして残っていくというあたりは、現実世界の諸々を想起させることもあり、唸らされた。でも、どれも面白かったよ。

         

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        巷説百物語(京極夏彦)

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           短編集。7つの作品が収められている。内容は一種の仕掛人話。奇怪な現象の背後にある、人の妄執を表に出して真相を明らかにすることで、奇怪な現象を治める仕掛人たち。小股潜りの又市、山猫廻しのおぎん、事触れの治平、そして彼らとひょんなことから関わることになった考物の百介など、魅力的な登場人物が仕掛人として活躍する。

           又市の云う「御行 奉為」が京極堂の「憑物落とし」に通じている。しかし、京極堂ほどペダンチックでないぶん、こちらは読みやすい。巷説百物語シリーズのスタートにはぴったりの一冊だった。

           

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          黒死館殺人事件(小栗虫太郎)

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            ※ネタバレあります。
             何度目かの挑戦でやっと完読。三大奇書の中では一番短いが最も難解。読み始めて新本格派第一世代を思い出し、彼らはこういう作品に啓発されて一派を形作ったのかも…と思ったが、読み進むにつれ新本格派第一世代が紛い物に思えてきた。それくらい華麗なペダンチックさ。あまりの華麗さに眩暈を覚え、以後その眩暈から逃れられないままラストまで。読了した今も眩暈に悩んでいる。

             何回か読まないと掴みきれない作品。だからといっても再度読む気には…ならんな。複雑に入り組んだ話でも動機は俗な欲にあるというのが大概のミステリーだけど、この作品は、犯人の伸子に「欲」らしいものが見当たらず当惑した。が、最後に伸子が算哲の子どもだったことが明かされて了解。しかし、トリックといい犯人の動機といい推理ゲームじゃないよね、この小説は。

             

             雑誌連載が昭和9年。当時、この本をどれだけの人が理解しながら読んだのかにも興味がある。
            私が読んだのは社会思想社の文庫本だが、巻末に井上良夫と島田太郎による感想文が載っている。仮にこの本を再読するとしたら、次は島田太郎の感想文を読んでから本編に取り組んだほうが若干の予備知識が身に付いての読書になり良いように思う。井上良夫の感想はダメ出し感が強い。(ダメ出しの内容には私も同意だが…)


             これで日本ミステリ―三大奇書を完読。その満足感だけはある。

             

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