不連続殺人事件(坂口安吾)

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     再読、と云っても読んだのは遥か昔なのでほぼ初読と同じ。合間に附記として何度も出てくる作者のコメントを楽しみながら、ゆったりとした気持ちで読める本格推理小説といえばいいのかな。本格物を読まなくなって久しいのでその系譜の中でこれをどう評価するかというのはわからないけど、袋小路に入り込むような感覚無しに楽しめる本格物。一番の仕掛けは冒頭に置かれた複数の男女が別れただ、いや、別れてこっちとくっついただという複雑な関係描写だね。それが目晦ましになっていた。でも、本当はひとつだけ繋がっていた関係が…。

     

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    花まんま(朱川湊人)

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      JUGEMテーマ:日本文学

       短編集。どれも明示されていないが懐かしい昭和の風景。空気の匂いまで伝わってくるような文章。巻頭の「トカピの夜」と巻末の「凍蝶」は差別が背景にありその描写が切ない。表題作の「花まんま」は生まれ変わりの話。その意味でSFだが、その有り得なさを不自然に感じさせずに物語が進む。読後「あってもいいよね、こういうこと」という感想。イカン、少し疲れているかも。他に3編収録。(2019.11.26読書メーターにUP)

       

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      ホテルローヤル(桜木紫乃)

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         表題のラブホテルに関わりのある人たちをそれぞれ主人公にした短編集。現在から過去という実際とは逆の時間軸で物語が並べられている。そのため、登場人物のその後を既知しながら読むことになるが、冒頭作の「シャッターチャンス」だけはその後がわからないため、二人のこの先が不透明だった。もっともこれは私の読解力不足かもしれない。個人的にベストだったのは「星を見ていた」。切ない、痛いし切ない。そう感じるのは現実にありそうな話だからなのかな。(2019.11.7読書メーターにUP)

         

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        廃墟に乞う(佐々木譲)

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           休職中の刑事を主人公にした全6話の連作集。いずれも手堅い作り。ベテラン作家の熟練ぶりを感じる。 どの話も謎解きがメインだが、表題作で直木賞受賞作となった「廃墟に乞う」だけちょっと印象が違う。ほぼ犯人で間違いない人物が初めからわかっており、描かれるのはその人物の育ってきた環境。今NHKで放送されている「サギデカ」で高杉真宙が演じている青年にも通じる貧困ぶり。そういう環境が日本には確かにあったし多分今もあるんだろう。そこで問われているものは刑事小説の枠を超えている。(2019.9.28読書メーターにUP)

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          大統領に知らせますか?(ジェフリー・アーチャー)

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             40年も前の作品だが初読。終盤のところで主人公の捜査官が殺されたとの連絡がFBI長官に入った箇所では「そう来たか…」とビックリした。すぐに人違いだと明かされたけど、てっきり作者の「技」かと思ったよ。アメリカの銃規制問題がストーリーの軸になっているけど、40年前と全然変わっていない今のアメリカの銃問題を思うと、普段、小説は政治的な視点を外して読んでいる私でも、人間というのは簡単に進歩しないんだな、と思う。たぶん、これから40年経っても、アメリカの銃問題は全然変わっていないだろうね。(2018.7.28読書メーターにUP)

             

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