ドグラ・マグラ(下)(夢野久作

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    JUGEMテーマ:ミステリ

    ※ネタバレあります。
     訳わからんかったけど面白かった。謎が解決されないまま次々と別の謎が示されるので、読んでいる自分の位置を見失う。そこでお手上げになるかその状態を楽しめるかなのかもしれん、この本は。確かに奇書。夢中遊行やら心理遺伝(千年前の先祖の心理が遺伝するんだって)やら作者の繰り出す手札の目眩まし効果の凄まじさ。結局何一つ謎は解決されないからね。呉一郎が正木博士の息子らしいことは最後に示されるが、その呉一郎と「私」が同一人物なのかはハッキリわからないまま。「私」はどうやら果てしなく続く実験のモルモットだよ、というのがラストで示されるが、それはそれで悲惨だ。
     とにかくこの小説を理解しようとするなら、キチンと解題したものがあるようだからそれを読んだほうがいいと思うが、それを理解できるかどうかはまた別の話。

     

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    ドグラ・マグラ(上)(夢野久作)

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       困った。これは本当に訳が分かりにくいぞ。記憶を失った「私」が覚醒し、若林と名乗る男から直近に起きた奇怪な殺人事件の解決には「私」の記憶回復が必要というあたりは面白そうだったが、正木博士の残した記録やら論文やら報告書(どれも記録や論文や報告書らしくない内容)が出てきてからは理解が追いつかない。結局、「私」=「殺人事件の犯人」=「探偵アンポンタン・ポカン」=「正木博士の講義を聞いていた学生」=「呉一郎」なのか? その答えは下巻にあるのか、はたまた更なる混迷に導かれるのか、とにかく下巻へ。

       

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      慈雨(柚月裕子)

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        ※ ネタバレあります。

         図書館本。定年退職した元刑事、その部下だった若手刑事、16年前の幼女殺害事件、それと手口が同じ事件。この4つが絡み合いながら話が進む。16年前の犯人は服役中だが、それは冤罪だったのか。元刑事は当時その疑いを主張しながら上層部に受け入れられなかった過去を持つ。
         元刑事は妻と四国巡礼中。事件現場の群馬にいる若手刑事と四国を廻っている元刑事が電話で情報を検討し合う二人を許容する元刑事の同僚で若手刑事の上司でもある捜査一課長の存在。彼もまた16年前の事件の結末に忸怩たる思いを抱いている点も物語に厚みを与えている。今回の事件を追及することは16年前の事件の真相を暴くことにもなるという緊張感。
         ただ、軽トラをトラックの荷台に隠したというトリックは腑に落ちない。いや、トリックは良いのだが、幼女殺害のためにそこまでするって一体どんな人物? という疑問に答えられていない。その用意周到さと計画性、それを可能にするような人物だったのか、犯人の加部は? という疑問。これ、当然の疑問だと思うんだけどね。
         幼女殺害にそこまで注力する犯人という設定なら、人物像をもっと掘り下げて書き込んでも良かったのでは? と思う。
         個人的に、柚月裕子は作品によって評価が上下するんだけど、この作品は上の方。それだけに、犯人像への疑問が引っかかってしまうのよ。

         

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        暴虎の牙(柚月裕子)

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           図書館本。シリーズ三作目。あれ、死んだはずの大上が出てる? と思ったら設定が「孤狼の血」より前の昭和57年だった。やっぱり大上が出てくると骨太感が増すね。その辺が二作目との違いか。ただ、この物語の主人公は今でいう「半グレ」の沖。舞台が平成16年に移ってからは日岡も出てくるけど、大上も日岡も沖を見守ったり追ったりする役割。その沖が切ない。
           大上がいた頃には暴力団に対して一歩も引かないカリスマ性があったのに18年の刑期を終え出所後は時代の変化に対応できなかった。結局、憎しみをバネにしてしか生きられなかった男の悲劇なんだろうね。このお話のミステリー要素のひとつだった身内のスパイが三浦だったのは意外。最後、その三浦が沖を殺したことを示すエピローグも悲しい。

           

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          悪魔が来りて笛を吹く(横溝正史)

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             映画やテレビでは何度か見ているが、原作を読むのはウン十年ぶり。横溝正史の代表作の中ではトリック等に難があり傑作とは思えない。帝銀事件をイメージさせる導入部分には期待させるものがあっただけにちょっと残念。だが、著者が一貫して取り上げてきた血族の問題について、本作では近親相姦という、ある意味、究極の形で提示した点は評価されるポイントだと思う。最後に本の内容からは外れるが、角川文庫のカバー図案、昔のおどろおどろしい絵の方が横溝作品の雰囲気を伝えていて良かったのになぜ変えちゃったのかな。そこが一番の不満。(2019.10.6読書メーターにUP)

             

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