誘蛾灯(青木理)

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    JUGEMテーマ:ノンフィクション

     鳥取の連続不審死事件。著者が探ろうとしたのは、第7章のタイトルにもなっている「なぜ溺れたのか」。新聞記者や警察官などそれなりに判断力のある者も含めた複数の男が、何故、肥満で大嘘つきの中年女に溺れていったのか。著者はその理由は、それぞれの男が内部にあった業や宿痾に耐えかねたからだと推測するが、さて真実は…。日本海側の冬の空のように暗いトーンで話が続くなか、何度か出てくるスナックのママとホステスは良いアクセントになっているが、そのスナックさえも実は…と著者は考える。奇妙な余韻が残る一冊。(2019.11.29読書メーターにUP)

     

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    岩波書店と文藝春秋(毎日新聞社)

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      JUGEMテーマ:ノンフィクション

       タイトルを見ると、岩波書店と文藝春秋という対極に位置する出版社について過激な煽りに溢れている本かと思ったが、しかも出版が毎日新聞なので、岩波書店に近い位置からの文藝春秋に対する煽りが一杯かと思ったが、全然違った。戦後の国内外のエピソードに対する「世界」と「文藝春秋」の記事の内容を淡々と紹介しながら戦後史をなぞっていく内容。20年以上の前の本だけど古さは感じなかった。現代史を確認するためには読んでおいたほうがいい本だと思った。(2018.7.5読書メーターにUP)

       

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      バッタを倒しにアフリカへ(前野ウルド浩太郎)

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        JUGEMテーマ:生物

         修士課程修了の著者の、砂漠でのバッタを対象としたフィールドワークの苦難と、日本とアフリカを股にかけた就活の物語である。とにかく面白い。まえがきからあとがきまでずっと面白い。面白い所が多すぎていちいち紹介できないほど面白い。なので、とにかく読むべし。読んで味わうべし。そしてニヤニヤ笑うべし。私は妻から「本を見ながらニヤニヤしてて気持ち悪い」と言われたので、「変な本じゃないよ」と言って書店のペーパーカバーを取って見せたら表紙の著者のバッタ姿に妻からますます不審の目で見られてしまったのはここだけの話。(2018.6.10読書メーターにUP)

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        滝山コミューン一九七四(原武史)

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          JUGEMテーマ:ノンフィクション

           ある小学校で、学級集団作りの名のもとに共産党の看板「民主集中制」だったり連合赤軍の「総括」そっくりの「追及」が行われていたことは驚くしかない。当初は教師による指導だったとしても、それが児童の自律的展開から暴走に変わっていくことを怖いとも思った。が、それでも読みながらずっと苦さを感じていたのは、著者の主導権を執っていた側への妬み嫉みの感情を底に感じてしまったから。これが講談社ノンフィクション賞受賞作か…。「うーん、どうだろう?」という思いが捨てきれない。(2018.3.3読書メーターにUP)

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          殺人犯はそこにいる(清水潔)

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            JUGEMテーマ:ノンフィクション

             調査報道とはこういうものなのか。ここまでしての調査報道なのか。そんな驚きと感慨を与えてくれた本。「公権力と大きなメディアがくっつけば言いたい放題のことが世の中に蔓延していく」と文中にあるが、これは冤罪事件にだけ当てはまる言葉ではないだろう。冤罪だと認められた後も、その原因となったDNA型鑑定の詳細を隠そうとする検察と警察。それは「飯塚事件」にも繋がっているよう。著者の労苦に敬意を表するが、検察官や科捜研技官の女性という属性を表に出したがるのは何故? 偏見があるのか気になった。(2017.10.23読書メーターにUP)

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