映画の奈落(伊藤彰彦)

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    JUGEMテーマ:ノンフィクション

     映画の「北陸代理戦争」は見たことがある。「北陸ではどこの家にも仏壇がある」というナレーションが記憶に残っていたが、上映後に、映画を地で行く組長射殺事件が起きていたことは知らなかった。著者は3つの「挑戦」を軸にペンを進めているが、この複層性が効果的だ。特に日記のように時系列に記していく方法は、必然的に上映後の映画会社側の動きと暴力団側の動きを交互に紹介する形になり、切迫感を高めている。本編の最後や文庫版の補遺で紹介されている関係者のその後にも感無量。著者にとっては初めての著作らしいが快著である。(2017.6.19読書メーターにUP)

     

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    役者は一日にしてならず(春日太一)

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       週刊ポストの俳優インタビューを単行本化したもの。俳優になったきっかけや俳優としての転機、各自の俳優観などが率直に語られている。しかし、千葉真一が『仁義なき戦い』で愚連隊隊長大友役だったことについて、「撮影間近に急に北大路欣也と入れ替わった」としか触れられておらず、実際は当初大友役だった北大路がそれを嫌がったために千葉の山中役と交替したことは省略されている。この二人の配役交替は実は二度目で、東映の重役だった北大路の父、市川右太衛門の存在もあっての東映側の配慮だったことなど、生々しい話が省かれているのは残念。(2016.12.30読書メーターにUP)

       

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      市川崑と『犬神家の一族』(春日太一)

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         読後、『犬神家の一族』をまた見たくなったが、市川監督の作品に対する筆者の脚本や演出に重心を置いた評価に対し、市川監督の映像美に魅せられてきた私は違和感を覚えた。多くの色鮮やかな風車が画面一杯に回る富士フィルムのCMや、コマを省略しながら繋ぐことで独特のリズムで立ち回りシーンを見せた『木枯らし紋次郎』のオープニングタイトルバックなど、市川監督の映像に対する感性は抜群のものがある。そうした点からの作品評価があまり見られなかったのは残念だった。(2016.10.10読書メーターにUP)

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