黒死館殺人事件(小栗虫太郎)

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    JUGEMテーマ:ミステリ

    ※ネタバレあります。
     何度目かの挑戦でやっと完読。三大奇書の中では一番短いが最も難解。読み始めて新本格派第一世代を思い出し、彼らはこういう作品に啓発されて一派を形作ったのかも…と思ったが、読み進むにつれ新本格派第一世代が紛い物に思えてきた。それくらい華麗なペダンチックさ。あまりの華麗さに眩暈を覚え、以後その眩暈から逃れられないままラストまで。読了した今も眩暈に悩んでいる。

     何回か読まないと掴みきれない作品。だからといっても再度読む気には…ならんな。複雑に入り組んだ話でも動機は俗な欲にあるというのが大概のミステリーだけど、この作品は、犯人の伸子に「欲」らしいものが見当たらず当惑した。が、最後に伸子が算哲の子どもだったことが明かされて了解。しかし、トリックといい犯人の動機といい推理ゲームじゃないよね、この小説は。

     

     雑誌連載が昭和9年。当時、この本をどれだけの人が理解しながら読んだのかにも興味がある。
    私が読んだのは社会思想社の文庫本だが、巻末に井上良夫と島田太郎による感想文が載っている。仮にこの本を再読するとしたら、次は島田太郎の感想文を読んでから本編に取り組んだほうが若干の予備知識が身に付いての読書になり良いように思う。井上良夫の感想はダメ出し感が強い。(ダメ出しの内容には私も同意だが…)


     これで日本ミステリ―三大奇書を完読。その満足感だけはある。

     

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      • 2020.10.20 Tuesday
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      • 20:50
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